だんだん外で過ごす時間、レジャーが楽しい季節になってきましたね!ワンちゃんも一緒にお出かけしたり、キャンプに連れて行く人もいるのではないでしょうか。
この季節になると注意してもらいたいのが熱中症です。最近では気にかけているご家族も多くなってきましたね。今回はそんな熱中症についてのお話です!
熱中症とは?
熱中症とは、人での熱中症と同じように、周りの温度が高かったり激しい運動をすると体温がかなり高くなり(41℃以上)、身体にさまざまな異常をきたす状態を言います。1),2)ちなみに犬の体温は正常だと37.5~38.5℃程度です。
人でも熱中症はかなり気にかけられている病気ですので、基本的には犬でも同じようなことを気をつけてあげると良いと思います。ただ、犬と人では体の仕組みや生活環境が違う部分もあるため、次のような点も気にしておいてくださいね。
熱がからだにこもったときの逃がし方 犬は汗をかいて熱を逃がす、ということがほとんどできません。犬は身体に熱がこもると、口でハァハァ呼吸して(パンティング)、口から熱を逃がして熱を下げることで、徐々に元通りに落ち着きます。しかしあまりに体温が高くなりすぎると、このパンティングだけでは熱を上手に逃がすことができず、どんどん体温が上昇してしまいます。
つまり、犬は私たち人間よりも体温調節が苦手なのです。
地面からの熱のうけとめ これはベビーカーに座っている赤ちゃんや小さい子供は、地面からの距離が近いため、大人と比べて周りの温度が高い、と言われるのと同じですね。犬はさらに地面に近く、地面の熱をもろに受け止めて歩くため、私たちが感じる気温よりもはるかに暑いでしょう。暑い季節のアスファルトの表面温度は60度を超えることもあり3)、私たちの体感よりもずっと暑い環境下で散歩をしていることになります。
どのくらいの暑さならお散歩にいっていい?
ワンちゃんは地面の熱をもろに受けて歩くため、気温や私たちの体感だけで判断すると危険です!アスファルトを手で触ってみて5秒程度、そのまま続けられるかどうかチェックしてください。できなければ危険なのでお散歩はやめておきましょう。
できるだけ夏場のお散歩は、日が昇りきる前の、早朝の時間帯がおすすめですよ。
熱中症になりやすい犬?
次に熱中症になりやすいのはどんな犬でしょうか?
一番熱中症に注意してもらいたいのは、パグやフレンチブルドッグ、ボストンテリアなどの短頭種です。短頭種は頭が短いために、鼻から喉の形が独特で、構造的に呼吸がしづらい犬が多く、身体の熱を逃がしにくく熱中症になりやすいです。
他にも毛色が黒い犬は熱がこもりやすく、もともと寒い地域で生活している北欧犬(ハスキーやオールドイングリッシュシープドッグ)は被毛も厚く、暑い気候に慣れていません。
他にも、高齢や肥満、心臓病や腎臓病などの疾患持ちの子も熱中症になりやすいため、要注意です。
熱中症になってしまったら
もし熱中症になってしまったら… ポイントはいかに早く気付いて、早く対処ができるか!です。
症状が軽度だとはっきりとした症状はなく、気づきにくいかもしれません。パンティングがひどい、動きたがらなくなるなど、もし何か様子がいつもと違うかも…?と感じるようなら一旦、日陰や風通しの良い涼しい場所へ移動させて水分を飲ませ、身体を冷やしてあげてください。
効率良く身体を冷やせるのは首回り、脇の下、大腿の付け根(内股)です。それでも症状が変わらない場合や、元気がない、食欲の低下、嘔吐や下痢などの消化器症状がある場合は至急、病院に連絡して連れてきてください。移動中にも可能な限り、冷やしてあげることをおすすめします。
ただ身体を氷水に浸けるなど、過度に冷やしすぎると、末梢の血管が収縮したり、逆に体温が下がらなくなってしまい危険ですのでやめましょう!
さいごに
少し怖い言い方ですが、熱中症はついさっきまで元気だったワンちゃんが急に亡くなる可能性がある、恐ろしい疾患です。
けれど熱中症は知っていれば予防・対処することができるので、私たちよりも暑さに弱いワンちゃんを熱中症から守ってあげてくださいね。