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ワンちゃんネコちゃんのデンタルケア
突然ですが、あなたは自分の歯を磨きますか?どのくらいの頻度でしていますか?こんな質問がきたら、おそらくほとんどの方が「もちろん毎日歯磨きをしている」と答えるでしょう。

では、なぜ毎日歯磨きをするのですか?

この質問はどうでしょう?これに対しても多くの人が「虫歯や歯周病にならないように」や「歯磨きしないと気持ち悪いから」などと答えるのではないかと思います。普段私たちはきっと顔を洗う、お風呂に入るのと同じくらいの感覚で歯磨きしていますよね。

ではワンちゃんネコちゃんにも同じように歯磨きしているよ!という人はどれくらいの割合がいるのでしょうか??意外と少数かもしれません。もちろん歯ブラシを買ってやってみたけど、ネコちゃんが嫌がってなかなかさせてくれない、チャレンジしたけど上手くいかない…と頑張っている方もいるでしょう。

犬猫にとってデンタルケアは、私たちと同様にとても大切なことです。この機会にワンちゃんネコちゃんのお口について知り、できることから少しずつ、デンタルケアを始めてみませんか?

犬猫の口の中の環境を知ろう

実は私たち人間とは少し違って、犬猫は虫歯になりにくいです。その理由は、いくつかあります。1)
私たち人間と比べて猫の口の中はアルカリ性に傾いており、虫歯の原因菌は酸性の環境で増えやすく、アルカリ性では増えづらい
犬猫の唾液中にはアミラーゼという酵素の働きが少ないため、虫歯の原因菌が好む糖質が口の中に少ない(アミラーゼが食べ物を分解して糖質を作る)
歯の形が薄く尖っているため、人のように虫歯の原因菌が歯のくぼみに溜まる、ということが少ない
このような理由から犬猫は虫歯ができにくいのです。ただ絶対にできない、というわけではありません。

また、犬猫の口の中の環境がアルカリ性であるために、歯石ができやすいとされています。歯に付着した歯垢を放置していると3日以内に石灰化が起こり歯石へと変わりますさらに2週間以内に歯周炎につながる事が分かっています。2)
犬猫のほとんどが歯のトラブルを抱えている⁉
虫歯になりにくい犬猫ですが、その一方で歯周炎などといった病気を引き起こしやすいです。驚きかもしれませんが、3歳以上の犬の80%が歯周病に罹患しているというデータや、2歳までの猫の約70%が何かしらの歯周のトラブルを抱えているという報告もあります2)

歯周病ってどんな病気?

歯周病とは口の中に溜まった食べ物のカスや細菌でできている歯垢(プラーク)により炎症が起こることで歯肉、歯を支える靭帯や骨など、周りの環境にまで炎症が起きている病気です。

次の写真は歯周病と呼ばれる病気ですが、猫にはその他にも歯肉口内炎や歯牙吸収病巣(ネックリージョン)といわれる病気も多く、これらがあると流涎がひどい、口臭がする、痛くてご飯が食べられないといった症状につながります。

また、歯周疾患は心臓病や肝臓病、腎臓病などといった他の全身の病気を引き起こす原因にもなると言われています。

あなたのワンちゃんネコちゃんの口の中をチェック

一度お口の状態をチェックしてみましょう。チェックするポイントは次のような点です。
口臭がする
歯がきれいな白色ではなく、汚れが付いているように見える
歯肉が赤く腫れているような感じがある
出血しているところがある
涎が多くなった
グラグラしている歯がある
顔が腫れたりくしゃみ・鼻水がでている
下にいくほど歯周病が進行していると見られる症状です。もちろん上記の症状があっても歯周病以外の病気であることもあります。驚きかもしれませんが、実は口の中が健康な場合、口臭はしません。口臭がするだけでも何か異常がある、ということなのです

この項目のうち一つでも当てはまったら、病院でのケアが必要かもしれません。

当院では10月より2ヶ月間デンタルケアキャンペーンを実施します。
期間内にはデンタルケア用品のディスカウントや様々なサンプル配布も行う予定ですので、ぜひこの機会にお気軽にスタッフにお声がけください。
参考文献
参考文献
1)Fraster A. Hale, 2009. Can Vet J 50(12): 1301-1304
2)World Small Animal Veterinary Association Global Dental Guidelines 2020

画像提供:東京猫医療センター 服部幸先生