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ワンちゃんネコちゃんの体の中に水が溜まる病気とは?
”は私たち人間や動物たちにとって必要不可欠ですよね。犬や猫の体の約60%前後1)は水でできていると言われており、生きていく上でなくてはならない存在です。この“水”について考えたことはありますか?

今回は体の中での水の働きや、水が溜まりすぎた場合に何が起きるのかお話します!

体の中での水の働き

体の中で、水はさまざまな働きをしています。
栄養素を運ぶ:血液として体の中をめぐり、栄養を行きわたらせます。
体温を調節する:ワンちゃんが体温を下げる方法は、主にパンティングすることです。このパンティングによって、水分と一緒に熱を逃がして体温を下げます。
代謝にかかわる:細胞がきちんと働き、体液の状態を一定に保ちます。
老廃物を捨てる:血液とともに腎臓に運ばれた老廃物を、尿として体の外へ捨てます。
通常では体の中に入ってくる水の量と、体の外へ出る水の量はきちんと調節されていますが、逆に体の中に溜まりすぎると問題です。溜まりすぎる=体のどこかに異常が隠れている可能性がある、ということになります。

水が溜まる場所によって、その状態の名称はいくつかの種類に分かれています。

腹水

お腹の中に水が溜まってしまう状態であり、お腹がパンパンに膨れ、触ると“チャポチャポ”と水の感触を感じることがあります。原因となっている病気にもよりますが、普段と変わらない様子で過ごしていることもあれば、食欲元気の低下、下痢や嘔吐、呼吸しづらい、など様々な症状が見られることもあります。

腹水が起きる原因には肝臓病、腎臓病、心臓病、お腹の中での出血や炎症、タンパクが減る病気、腫瘍といったものがあり、血液検査や画像検査などの詳しい検査を行って原因を探ります。

胸水

胸水は、胸の中の肺の外側に水が溜まってしまうことです。水が溜まるせいで肺が膨らむことができないため、とても苦しそうな呼吸になります。ネコちゃんの場合、普段はすることがない“口を開けての呼吸(開口呼吸)”をすることがあります。

ネコちゃんが口を開けて呼吸している場合は、非常に危険なサインです。
胸水はそのまま放置すると、命の危険があるため、早急に対処する必要があります。腹水とは違って、見かけ上胸がパンパンに膨れることはなく、チャポチャポと感じることはありません。胸水は、心臓病、フィラリア、腎臓病、肝臓病、タンパクが減る病気、腫瘍、感染症、外傷などが原因として考えられます。

また、胸水の成分には色々な種類があります。“水”なので無色透明を思い浮かべるかもしれませんが、血そのもののような真っ赤な液体、乳白色の液体もあれば、それらが混じったようないちごミルクのような色の液体であることもあります。(血胸、乳び胸、膿胸)

肺水腫

肺水腫も胸の中に水が溜まる状態ですが、胸水とは違ってこちらは肺の中に水が溜まります。肺は呼吸をするために必要不可欠な臓器であり、肺が水で満たされると、溺れているのと同じような状態になります。

この場合も早急に対処しなければ命に関わる危険性があります。肺水腫が起こる原因のほとんどは心臓病ですが、他にも肺炎、外傷、感電などによって起こることもあります。

むくみ(浮腫)

むくみは血管の外に水が溜まりすぎることで起こります。体の中の水分は、血管やリンパ管の中を行き来しながら、うまくバランスが保たれています。何らかの原因によってこのバランスが崩れることで、血管の外に水が溜まり、“むくみ”として現れます。

むくみを引き起こす病気には腎臓の病気、ホルモンの病気、炎症、タンパクが減る病気、心臓病、リンパ管の異常などがあります。動物は毛で覆われているため、ぱっと見は分かりづらいですが、手足や顔のむくみが一番分かりやすいと思います。

こんな様子があれば早めに来院を

お腹が急に膨れてきた
呼吸が苦しそう、いつもより呼吸が速い
口を開けて呼吸している(ネコちゃんは要注意)
上のような様子に加えて元気がない、食欲が落ちている
手足の太さが左右で違う、顔が腫れているように見える
このような変化が見られた場合、体のどこかに水が溜まっている可能性があります。特に呼吸の異常は、命に関わることもあるため注意が必要です。

「少し様子を見ようかな…」と迷うときこそ、ぜひ一度ご相談ください。早めの受診が、大切な家族を守ることにつながります。
参考文献
1)Ettinger SJ, Feldman EC, Côté E. Textbook of Veterinary Internal Medicine. 8th ed. Elsevier; 2017.