ある日突然、ワンちゃんやネコちゃんの歩き方がいつもと違ったら注意が必要です。
「寝ぼけてるのかな?」「足をひねった?」と思ってしまいがちですが、実は脳や神経に異常が起きているサインかもしれません!足のケガだけでなく、重大な疾患が隠れていることもあります。
今回は、「おかしな歩き方」が示す可能性のある病気について詳しく解説します。

おかしな歩き方の主な原因
原因には、大きく3つのカテゴリーの異常が考えられます。
神経系の異常:この場合にはいわゆる“ふらついた”歩き方がみられます。
前庭疾患耳の奥(内耳)にある平衡感覚を司る「前庭」(三半規管)の異常のことで、中耳炎・内耳炎や原因不明(特発性)で起こることが多いです。
脳の病気脳腫瘍、脳炎、脳梗塞、脳出血、水頭症、不随意運動など。
脊髄の病気椎間板ヘルニアや脊髄炎など、脊髄を圧迫・炎症させる病態 。神経の麻痺が起こるため、ふらつきだけでなく足をひきずって歩くこともあります。
筋肉や関節のトラブル :いわゆる“びっこをひく(足をつけない)”ような歩き方がみられます。加齢変化筋力低下や背骨の変形でも歩き方に変化が出てきます。この場合はびっこというよりも、力のない、よろよろとした歩き方になります。
内臓の疾患:力が入らずによろよろとした歩き方になることが多いです。心臓病血液循環不全により脳への血流が減少し、失神やふらつきが出ることも。運動時・興奮したときに見られやすい。
代謝異常低血糖(特に子犬)、糖尿病、甲状腺機能低下症、低カルシウム血症など。
中毒玉ねぎ、チョコレート、観葉植物などの誤食によって起こることがある。
診断のすすめ方
おかしな歩き方の原因を特定するためには、いくつかの検査を組み合わせて行います。
ワンポイントアドバイス!
普段の生活での「そういえば…」という気づき(誤食してしまったかも…や、発症前後の変わった様子など)も、診断の重要な手がかりになります。
もし可能であれば、スマートフォンでいつもと違った様子を動画で撮影してくださると診察の手助けになります!歩き方の動画を撮るときは、カメラを動物の高さに合わせて(しゃがんで)撮るのがベストです。
普通に上から下を見下ろす撮影ですと、足の運び方が判りづらくなってしまいます。

神経の異常を疑うサイン
神経に異常がある場合、ふらつき方に特徴があったり、ほかの症状を伴うことがよくあります。
次のような様子が見られたら、脳や脊髄、あるいは前庭に原因がある可能性も!
できるだけ早めに動物病院へ連れてきてくださいね。
こうした症状は数時間〜数日で急速に悪化する場合もあり、特に神経系の異常は緊急対応が必要であることも多いです。早期の診断・治療が後遺症リスクを減らすカギとなります。

治療について
原因が特定できれば、それに対する適切な治療をおこなうことができます。
疾患の種類や進行度によって治療方法は異なりますが、早期発見により回復率を高められる可能性があります!
治療法の種類(興味のある方は押してみてください)
抗生物質や非ステロイド系抗炎症薬の投与(中耳炎・内耳炎の時)
ステロイドの投与(脳炎のとき)
抗てんかん薬の使用(てんかん発作があるとき)
点滴療法(脱水の補正、循環の改善)
安静にする(軽い怪我や軽い椎間板ヘルニアのとき)
必要に応じて外科手術(重度の中耳炎や椎間板ヘルニア,脳腫瘍など) おわりに
ちょっとした歩き方の異変が、重大なサインであることもあります。
「あれ?様子がおかしいかも」と思ったら、早めにご相談くださいね。