お留守番がどうしても苦手なワンちゃんはいませんか?
「お留守番をさせると、ずっと吠え続けている」
「留守中だけ、家具を壊したりトイレを失敗してしまう」
「家族が外出しようとすると、落ち着きがなくなってしまう」
こんな様子が見られるとき、もしかしたら過剰な不安を感じている“分離不安(ぶんりふあん)”という状態かもしれません。今回は、分離不安とはどんなものか、そしてお家でできる工夫についてお話しします!

こんな行動は分離不安のサイン??
犬はもともと、社会性が高く「群れ」で行動する動物です。そのため、ある程度「一人が苦手」「一緒にいたい」という気持ちは自然なものです。しかしその不安が強くなりすぎると、最初書いたようにお留守番をさせると留守中ずっと吠えたり、トイレを失敗するワンちゃんがいます。これらの行動はもしかすると分離不安の症状かもしれません。
留守中に吠えたり、トイレを失敗するのは決して「わがまま」「性格が悪い」「留守番したことへの仕返し」というわけではなく、不安が強すぎてどうしていいかわからない、お留守番の間にパニックしています、という“心の叫び(問題)”と考えてあげてください。
分離不安かもしれない犬に見られる行動
ご家族が出かける前後にする行動
留守番中に見られる行動(カメラで見てわかることも)
帰宅後に気づくサインこれらの行動が「留守番中だけ」「外出前後にだけ」起きている場合、分離不安が関係しているかもしれません。

分離不安なの?それとも他の問題?
留守中に家の中の何かが破壊されていたり、大切なものがかじられたりしている場合、留守中の破壊行動であったとしても分離不安からくる行動ではなく、「退屈」「エネルギーが余っている」ことが原因で結果的に家の中が破壊されているケースもあります。また、留守中にトイレの失敗があった場合にその背景に、膀胱炎などの病気が隠れていることもあるかもしれません。
留守中に何らかの心配な行動、困った行動があったら、すぐに「分離不安」と思わず、まずは動物病院に相談しましょう。
などを私たちと一緒に整理しながら、分離不安かどうかを考えることが大切です!なにか気になることがあれば病院に相談してくださいね。
自宅でできる対策
分離不安の改善は、一気に「これで治る」というものではなく、少しずつ「ひとりで過ごす時間も大丈夫」と教えていくトレーニングが中心になります。
「一人になっても何も起こらない」と分かってもらう在宅中にあえて別の部屋に行き、短時間から距離を取ります(最初は数十秒などでも構いません)。少しずつ、見えない時間を伸ばしていくことで、“家族がいなくなっても、またちゃんと戻ってくる”という経験を積ませていきます。
出かける前後はそっと出かける時はわざわざ声掛けはせずに、そっと出かけましょう。留守番は大したイベントではないと知ってもらいます。ただし、急にいなくなることでパニックするワンちゃんもいます。
この合図を送った場合はすぐ帰ってくるよ、というルールを教えた方がよい場合もあります。帰宅したときも、あまり構わずに一旦落ち着かせてから、いつも通りのスキンシップをしてください。
ワンポイントアドバイス
特定の鈴などを鳴らしては1秒ドアから出て鈴に戻ってきて、「ただ今、いい子でした」とほめて、日に日に1秒ずつドアから出る時間を延ばすことで、特定の鈴が鳴った時は絶対にすぐに戻る、という合図になり、鈴を鳴らせば待てるようになってきますよ。
お留守番中の楽しみを用意するお出かけ前に与えるフード(例えば朝ごはん)を少し減らし、そわそわする状態になる前に朝ごはんの残りを入れた知育トイを与えて遊びながら朝ごはんを済ませられるようにしてみてください。
知育トイで遊んでいる間に出かけましょう。他にも、ガムや安全なおもちゃなど、時間をかけて楽しめるものを用意し、出かける前のそわそわ時間の前に与えて遊ばせるのも良いですね。ポイントは“夢中になって遊んでいる間に出かける”です!
おもちゃをうまく使うことで、「ひとりの時間=つまらない、不安」ではなく「ひとりの時間=楽しいことがある」 と思ってもらえるようにできるといいですね。
他にも、安心できる寝床、落ち着ける場所をつくることもお忘れなく。

病院でできること
自宅でできるトレーニングでは改善しない場合、症状が重い場合には、不安を下げる薬(セロトニン再取り込み阻害剤)や抗不安効果のあるサプリメントを使って不安やストレスを軽減しながら上記の行動療法を使って「分離不安」を治療する方法があります。
分離不安の治療は短期間で終わるものではなく、長い時間がかかることが多いです。すぐに効果が見られなくても、焦らずにゆっくりと治療をすすめていきましょう。
おわりに
分離不安は、ご家族にとってもワンちゃんにとっても、つらいと感じることが多いかもしれません。
しかし、少しずつ行動療法としてお留守番をすることに過度に不安を感じないようにするトレーニングをしたり、必要であれば薬物療法として抗不安効果のあるお薬やサプリメントなどを使うことで、お留守番がある程度できるようになって、犬も人も日常生活が楽になることも多いです。
「うちの子、お留守番が本当に苦手で…」と悩まれている方は動物病院ご相談ください、一緒に解決しましょう。