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突然ぐったり…?大型犬で注意したい“胃拡張胃捻転”
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2025.08.01
突然ぐったり…?大型犬で注意したい“胃拡張胃捻転”
「いつも元気に走り回っているうちの子、急にお腹がパンパンに…?」
そんなとき、すぐに思い出してほしいのが
“胃拡張・胃捻転症候群”
という病気です。
名前だけ聞くと難しそうですが、この病気、実は命に関わる緊急疾患。
特に大型犬と暮らしているご家族には、ぜひ知っておいていただきたい内容です!
胃が膨れてねじれる?何が起こっているの?
この病気は、胃の中にガスや食べ物がたまりすぎて、
胃が異常に膨張(胃拡張)し、さらに胃がねじれてしまう(胃捻転)状態
のことを指します。
胃がねじれると、血流が途絶え、胃や脾臓が壊死する恐れも…。
また、胃の圧迫で体中の血流が滞り、ショック状態に陥る危険もあるのです。
数時間で一気に悪化し、20〜45%
1)
が命を落とすというデータもあるほど。
早く治療を開始できるほど助けられる可能性は高くなるため、ご家族にはなるべく早く異変に気付いてほしいです。
どんな子がなりやすいの?
以下のような要因が重なると、発症するリスクが上がります。
グレート・デン、シェパードなどの大型犬(胸の深い犬種)
ごはんの一気食い
食後すぐの激しい運動
1日1回だけの食事
高い位置での給餌
両親に同じ病歴がある
高齢化
小型犬や猫でもまれに起こることがあるため、すべての飼い主さんに知っておいてほしい病気です!
こんなサインは見逃さないで!
次のような症状が見られたら、胃拡張胃捻転が起きているかもしれません。すぐ動物病院へ連れてきてください!
落ち着かず、そわそわ歩き回る(お腹が痛い)
よだれが多い
吐こうとしても吐けない
お腹が異常に膨れている
やがてぐったりしはじめる
歯ぐきの色が白くなる
特に、大型犬で「
吐きたそうにしているけど吐けない
」様子がみられるのは、この病気である可能性が高いですよ!!
治療・普段からできる予防
治療は、レントゲンや血液検査で診断します。一刻を争う状況なので、検査と同時進行で点滴や胃のガス抜きを行い、少しでも状態を改善させます。その後手術で胃のねじれを元に戻し、再びねじれない様にお腹の中で固定させます。
大型犬と暮らすご家族は、普段の生活から次のことが予防に繋がりますよ。
食後の運動は避ける(約2時間程度)
1日1食ではなく、何回かに分けて食事を与える
胃拡張・胃捻転になったことがあるワンちゃんとの繁殖は避ける
避妊手術のときに胃をお腹の中で固定させて、胃捻転が起きるのを予防しておく方法も
さいごに
この病気は
いかに早く気付いて早く治療を開始できるか
にかかっています。
とくに大型犬のご家族は、もしものときの判断材料として、ぜひこの病気の存在を覚えておいてください!
参考文献
1)Katy M Evans.,Vicki J Adams., 2010. J Small Anim Pract 51(7):376-81
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動物病院名
円山動物病院
住所
北海道札幌市中央区宮の森2条13丁目12-21
電話番号
0116441056
ホームページ
https://maruyama-animal-hospital.jp/
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