今日は動物病院のスタッフも気になる、昨年(2023年)の猫種ランキングを紹介します!毎年、ペット保険のアニコム損害保険株式会社が「家庭どうぶつ白書」1)というペットに関するデータや統計を発表しています。興味がある方は一度見てみてくださいね。
猫の純血種は遺伝的に似ているため、ある特定の病気になりやすいと言われています。今回は、その遺伝的要因が関係している病気も交えて紹介します。
1位:混血猫
1位は混血猫です。いわゆる雑種猫とも呼ばれますが、色々な品種が混ざっているため、どの病気が多いとは一概には言えないですね。
2位:スコティッシュ・フォールド
0歳のみの人気ランキングでは1位であるスコティッシュ・フォールドは、骨軟骨異形成症という遺伝性の病気があります。
折れ耳が特徴であるスコティッシュ・フォールドですが、実はこの折れ耳こそが骨軟骨異形成症の症状です。スコティッシュ・フォールドには耳が折れていない猫もいて、その猫は骨軟骨異形成症にならない、もしくはなっても症状が軽いです。
骨軟骨異形成症は耳だけでなく、肢先の関節や尾に骨瘤と言われるコブができ、関節が固くなる病気ですので折れ耳のスコティッシュ・フォールドは注意が必要です。
3位:アメリカン・ショートヘアー
3位は縞模様が特徴なアメリカン・ショートヘアーです。
肥大型心筋症という心臓の病気を患うことが多いですが、気づくのが難しい病気でもあるので、定期的な健康診断を受けることが大切です。
4位:マンチカン
マンチカンと言えば短足!というイメージがあるかもしれませんが、全てのマンチカンが短足であるわけではありません。マンチカンも骨軟骨異形成症の好発品種と言われています。
5位:ノルウェージャン・フォレスト・キャット
5位のノルウェージャン・フォレスト・キャットはノルウェー生まれの猫であり、寒さに耐えられるようにふわふわの被毛に覆われています。
遺伝性の病気というわけではありませんが、ふわふわの長毛種がゆえに毛を飲み込みすぎて毛球症になってしまうことに注意が必要です。また、遺伝性疾患としては眼の奥にある網膜が変性、萎縮することによって視力の低下が起こる進行性網膜萎縮症という病気にかかりやすいと言われています。
6位:ブリティッシュ・ショートヘアー
6位は丸っこい顔にくりっとした目、どっしりとした体を持ち、落ち着いた印象のブリティッシュ・ショートヘアーです。
肥大型心筋症や、腎不全の原因となる多発性嚢胞腎(腎臓にたくさんの水がたまった袋ができてしまう病気)にかかりやすいと言われています。
7位:ラグドール
7位はふわっとした毛並みと大きめの体格を持つラグドールです。
アメリカン・ショートヘアーと同様に心臓の病気である肥大型心筋症にかかりやすいと言われています。
8位:日本猫
平均寿命が15.1歳と、他の純血種と比べて長命なのが特徴です。
やはり日本の気候などの環境にあっているのでしょうか。長命であるので、遺伝性の病気というよりも、高齢になると増えてくる腎臓疾患や腫瘍疾患に気を付けたいですね。
9位:ロシアンブルー
ロシアンブルーは遺伝性の疾患はあまり報告されておらず、病気にかかりにくい品種と言われています。
10位:メイン・クーン
メイン・クーンは猫の巨人と言われるほど大きくなる品種で知られています。
肥大型心筋症や股関節形成不全症という股関節の病気になりやすいです。
いかかでしたか?
よく聞く、知っている品種も多く登場したかもしれません。もしかしたら、あまり馴染みのない病気もでてきたかもしれません。
今回は、アニコム損害保険株式会社「家庭どうぶつ白書」の2023年のランキングを参考にさせていただきました。過去に遡って見ることもできるので、昔と今を比べてみるのも楽しいと思います!