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チェリーアイとは?
目頭に赤いポチッとしたさくらんぼ”みたいなできものがある…‼

実はこれ、チェリーアイと呼ばれる目の病気かもしれません。まぶたには、上まぶた、下まぶたの他に、“第三のまぶた”があることを知っていますか?
人にも第三のまぶたは存在しますが、犬猫ほど発達しておらず、その痕跡がある程度となっています。

この“第三のまぶたである第三眼瞼は一般的に「瞬膜(しゅんまく)」と呼ばれています。瞬膜には涙を作る腺(瞬膜腺)が存在し、瞬膜腺は、全体のうち約30~57%の涙を作っており1)、目の表面を保護したり、乾燥しないように涙をいきわたらせる働きをしていますよ。

その瞬膜腺が元の位置から目頭あたりにポコッと飛び出してしまう状態が瞬膜腺脱出であり、その外観がさくらんぼのような赤い丸いものが出てくることから“チェリーアイと呼ばれ、若いワンちゃんで起こりやすい瞬膜の病気です。(ネコちゃんでは少ない)

原因

生まれつき
腺を固定している組織が先天的に未発達だったり、ゆるんでいる。短頭種(フレンチブルドッグ、ブルドッグ、シーズー、ペキニーズ、チワワ、コッカーなど)に多い傾向。
炎症や外傷
こすったり、感染や炎症で腫れて押し出されることも。

症状

チェリーアイは見た目の変化が分かりやすいので、ご家族も気づきやすい病気です。片目だけのこともありますが、後から反対側の目に起こることも、両目に起こることもあります。

目頭にポコッと赤い丸いものが飛び出している(両目に起こることもあります)
目を気にしている
充血している
目やにや涙の量が増えている
本人が気にしていないしちょっと様子を見よう、と考えることもあるかもしれませんが、そのままにしておくと、外観上の問題だけでなく目の乾きや結膜炎をくり返す原因になるため、早めの受診がおすすめです。

診断

チェリーアイは外観上、特徴的であるため動物病院では比較的診断しやすいです。瞬膜腺が飛び出している状態や腫れている様子などを確認し、評価します。
必要に応じて行う検査
フルオレセイン染色検査:角膜の表面に傷がついていないかの検査
シルマー涙検査:涙の水分量の検査

治療

治療には内科治療と外科治療の2パターンがあります。
内科治療
軽度の場合は抗炎症・人工涙液の目薬、エリザベスカラーを装着してこするのを防止します。ただ、根本的に治療しているわけではないため、再発する場合には外科治療が必要となります。
外科治療
飛び出した瞬膜腺を元の位置に縫い付けて固定するため、瞬膜腺の機能をそのまま保つことができます。手術のあとしばらくはエリザベスカラーの装着、目薬をおこなっていきます。まれに再発することもあるため、治療後も注意して観察してくださいね。
チェリーアイの手術
以前は瞬膜腺を切り取ってしまう手術方法もありましたが、涙の量が大幅に減ってドライアイになり、生涯目薬が必要となるリスクが高いため、現在では推奨されていません。現在は「ポケット法」と呼ばれる腺を温存する手術が主流であり、この方法では、再発率はおよそ 3〜10%程度 と報告されています1)

普段からできること

先天的な要因が大きいため、完全に予防することはできませんが、次のことに気をつけて少しでも発症や再発を防ぎましょう!
目のまわりは清潔に
目やにや汚れはこまめに拭いて清潔にし、まつ毛や周囲の毛が邪魔になりそうであれば動物病院・トリミングサロンでケアしましょう。
触らないように
頻繁に目を気にしてこする場合には、必要に応じてエリザベスカラーを装着しましょう。違和感があったり痒みがあるのかもしれないので、続く場合には早めに来院してください。
目の異変があれば早めの来院を
充血している、目やにが多い、などのちょっとした目の異常を感じた場合には、早めに来院してください。

おわりに

ワンちゃんネコちゃんの目頭にできた“赤いポツ”は、チェリーアイのサインかもしれません。早期に受診し、治療を行うことで、目の乾きや再発のリスクを小さくできます。赤いポツがある、涙・目やにが急に増えた、しょぼしょぼするなどの変化に気づいたら、お早めにご来院ください。
参考文献
1)Guionnet A, Weverberg F. 2025. Vet Ophthalmol. doi:10.1111/vop.70031

写真提供:どうぶつ眼科専門クリニック 院長 辻田先生