言葉を話さない動物だからこそ、体調の変化は気になりますよね。
病院が閉まっているときに体調の急変があったらどうしよう…と思ったことはありませんか?
すぐに救急病院へいくべき?翌朝まで待てる?
きっぱりと答えがあるわけではありませんが、少し知っておけば、いざ起こったときに慌てずに行動できるかもしれません!今回は見逃したくない“呼吸の変化”のお話です。
ほんとうに呼吸困難?
呼吸困難とは、その名の通り呼吸することが難しく、動物は苦しい状態です。また、一見すると呼吸困難のように見えても、単に“呼吸の回数が増えているだけ”ということもあります。
ワンちゃんネコちゃんの呼吸がおかしい?と感じたとき、まずは呼吸困難なのか? or 病的ではないものなのか?を考えましょう!
病的でないが呼吸がはやい
例えば興奮や暑さを感じているとき、呼吸がはやくなることが多いです。
直前に起きているイベントを思い出してみてください。散歩から帰ってきた後しばらくは呼吸が速くてもおかしくないですし、誰かが家に遊びに来て興奮したことで呼吸が速くなることもありますよね。
こういった時に共通して言えるのは、“呼吸が速い以外はいつも通り”ということです!
しばらく涼しくしてあげる、興奮を落ち着かせられるような環境にする、などの対応で呼吸が元通りに戻るのであれば、心配しなくて大丈夫ですよ。
正常な呼吸回数
ふつう、正常な犬の呼吸回数は1分間で15~30回程度です。40回/分以上で呼吸をしているときは呼吸が速いと判断してください。
猫でもだいたいの目安は30回/分以上の呼吸をしているときは呼吸が速いと考えます。
そして知っておいてほしいのですが、猫は犬のように口を開けて呼吸することは、通常ありません!!!
もし口を開けて呼吸している場合は緊急性があるかもしれません、急いで病院へ連れてきてください。
呼吸困難ってどんな様子??
呼吸困難=呼吸がしづらい状態なので、呼吸回数が普段よりも多い、頑張って息を吸って息を吐いているようなイメージです。また、呼吸回数は正常でも、次のことが当てはまったら呼吸困難の可能性があります。
呼吸の仕方が変(例えば、首を伸ばして上を向いて呼吸している) お腹や胸の膨らんで戻る動きがいつもより大きい 座ったまま(伏せになれない、眠れない) 舌の色がいつもと違う(紫色になることをチアノーゼといいます) このような様子が見られたら要注意です!
下の動画は、呼吸困難となっている犬猫の様子です。
呼吸困難がおこる原因
“呼吸困難”なので、もちろん呼吸に関連した場所に異常がおきることが多いです。例えば空気の通り道である鼻~咽頭(喉のあたり)や気管、肺に何か起きている場合です。ここは呼吸器と呼ばれる臓器です。
他にも心臓病が原因で肺に水が溜まる(肺水腫)ことがあり、呼吸困難になります。また、意外かもしれませんがお腹の中の病気が原因で横隔膜が押されて呼吸が苦しくなるケースもあります。例を挙げるとお腹の中に水が溜まる(腹水)、胃拡張などです。その他に貧血や中毒など、呼吸困難になる原因はいろいろとあります。
さいごに
ここまでの話をまとめると…
本当に呼吸困難なら緊急事態です!すぐに病院へ!
病的ではないけれど呼吸が速い?という場合は、その原因を取り除いてあげて呼吸が落ち着くか確認しましょう!
また別の症状で、呼吸が苦しいように見える「逆くしゃみ」という現象もあります。
こちらは緊急疾患ではありませんが、初めて見る場合等はびっくりされるかもしれません。
「逆くしゃみ 犬」などで検索して動画を確認しておくのも判断の手助けになる場合もあります。
もちろんどっちか分からない、心配な場合は動物病院にご連絡ください!
呼吸が苦しそうな様子を見ると焦ってしまうと思いますが、落ち着いてくださいね。
心臓病などの持病がある場合は、普段から呼吸の仕方や呼吸の回数をチェックしておくのも大切ですよ!
大切なワンちゃんネコちゃんが出すSOSサインを見逃さないように、気になることがあればいつでもご相談くださいね。