夏は外で過ごすレジャーやイベントも多く、みんなで楽しい思い出ができる季節ですね。
この季節特有の気をつけるべきことがいくつかあります。事前にしっかり知っておいて予防してあげてくださいね!
1. 熱中症
夏の危険!といえば熱中症を真っ先に思い浮かべる方もいるでしょう。人のように犬猫は汗をかいて体温を下げることができずに熱が体にこもりやすいため、注意が必要です。
熱中症のリスクを減らすには次のことに気をつけてください!
屋内、屋外ともに涼しくて風通しの良い場所を確保してあげてください 常に清潔な飲み水を用意してください 散歩に行くタイミングは早朝または深夜、涼しい時間帯にしましょう 車や暑い部屋に放置しないでください よだれ、落ち着きがない、ぐったりしている、激しいパンティング(犬)などの熱中症を疑うような症状が見られる場合は、すぐに動物病院に連絡してください
今年は記録的猛暑により、非常に熱中症の急患が多くなっているようです。
暑い車内への放置リスクに関してはほとんどの方が熟知されていることと思いますが、今年熱中症で緊急来院される動物の多くが『日没後の散歩』によるものだそうです。
たとえ、日没後で気温が下がっていても焼け込んだアスファルトの地熱はなかなか下がりません。
ぜひお散歩前は地面を触って冷めていることを確認してからお散歩に出掛けてください。
2. BBQ
野外でのバーベキューもこの季節ならではのイベントです。ワンちゃんも一緒に参加させる方も多いのではないでしょうか。普段なら絶対にあげないのに、ちょっと目を離した隙の盗み食い…ついうっかり子供が与えてしまった…などあるかもしれません。
絶対に与えてはいけない食材はタマネギ、長ネギです。加熱しても犬にとっての有毒物質は変わらないため、注意してください。また、骨付きの肉やトウモロコシの芯も、食道や腸で詰まってしまう危険性があるため要注意です。
3. 花火、雷
私たちにとって、打ち上げ花火は大きな音と共に華やかな光が夜空に広がる、これぞ夏の風物詩ですね。
しかし動物にとって、花火や雷のような大きな音は恐怖の対象でもあります。中には、音が聞こえると震える、不安でウロウロする、キャンキャン鳴く、パニックになるといった行動をとる子がいます。
特にパニックに陥った場合、開いている窓から飛び出してしまうことがあるので、花火大会や雷予報がある時は把握しておき、戸締りはしっかりしましょう。
あまりに症状がひどい場合には対策できるサプリやお薬もありますのでお気軽にご相談ください。
4. 水にまつわる事故
犬は犬かきをして泳ぐことができるため、あまり水難事故のイメージはないかもしれません。しかし川や海など、流れがあるような場所では流されて、そのまま溺れてしまうケースがあるため、水流がない場所で泳がせるようにしましょう。
5. 殺虫剤による中毒
家の中にも殺虫剤をまいたときには、その場所をワンちゃんネコちゃんが舐めてしまわないように気をつけてください。多くのスプレー式の殺虫剤はピレスロイド系のものであり、人や動物にはほとんど無害とされていますが、それでもよだれ、嘔吐、ふらつき、筋肉の震え、食欲不振、発熱や低体温がみられることがあります。
6. 虫や昆虫
フィラリア 蚊によって運ばれてくる寄生虫で、犬の体内に入ったフィラリアは心臓と肺動脈に寄生します。感染してしまうと駆除するのが大変であり、フィラリアが原因で命を落とすこともあるため、予防はしっかり行いましょう。蚊が活動する春から秋にかけての時期が要注意です!
以前のブログでお話ししたように、
ネコちゃんでも、感染報告があるので予防をおすすめします。
ノミやマダニ ノミはノミアレルギー性皮膚炎を引き起こしたり瓜実条虫などの病気を媒介します。また、一度寄生されてしまうと周辺で大量に増殖し、駆除が大変やっかいです。
マダニに多数寄生されると貧血になってしまう可能性があります。また、バベシア症(犬)やエールリヒア症などの病気を媒介します。その中でもここ最近注目されているのは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)であり、人でも感染や死亡が報告されている恐ろしい人獣共通感染症です。
スズメバチ スズメバチは夏の危険な昆虫であり、種類にもよりますが夏から秋にかけて活動します。ワンちゃんは好奇心旺盛なので、虫を見つけると追いかける、顔を近づけるなどのタイミングで、刺されてしまうかもしれません。
ミツバチにも刺される危険性はありますが、ミツバチの場合一度刺すと刺した皮膚に針が残ります。一方のスズメバチは針が取れることはなく、何度も刺すことができてしまうため、要注意です。ハチに刺されるとアナフィラキシーショックが起こる可能性があるため、早急に動物病院に連れて来てください。
さいごに
夏のイベントにまつわるものから日常のお散歩にも潜むものまで、さまざまな危険があることが分かりましたね。
なんとなく知っているだけでも危険を回避できるタイミングも多いと思います!
ここでお伝えしたことを意識しながら、ワンちゃんネコちゃんと一緒に夏の楽しい思い出をつくってくださいね。
参考文献
BSAVA:Top tips to ensure your pet has a happy and healthy summer 22 May 2023
Top tips to ensure your pet has a happy and healthy summer (bsava.com)