“ワンちゃんは痛みに強い”と聞いたことはありませんか?
もともと野生の環境では、弱っていることが分かると敵に狙われやすくなったり、群れの中で不利になったりする可能性がありました。そのため今でも、本能的に「弱さ」や「痛み」をできるだけ表に出さない傾向があります。
もしかすると痛みを抱えているワンちゃんは、私たちが思っている以上に多いのかもしれません。ワンちゃんが痛がっているかどうかを知るのは、意外と難しいんです。

痛みの種類
痛みには、急性の痛みと慢性の痛みがあります。
急性の痛み一時的に、一定の期間起こる、突然の痛みのこと。
怪我などの外傷、病気、手術などはっきりした原因があることが多く、ワンちゃん自身もいつもとは違った様子であることが多いので、ご家族も何らかの異変を感じやすいと思います。
慢性の痛み長期間続く痛みであり、関節や神経などといった痛みは、ぱっと見は分かりにくいです。じわじわと進行する場合も多くあります。
長期間の痛みはワンちゃんにとってはストレスであり、ADL(日常生活動作)に影響が出たり、QOL(生活の質)の低下に繋がったりすることもあります。
急性の痛み
ワンちゃんが急性の痛みを感じている場合、その痛みのレベルごとに、次のような様子が見られます1)。

慢性の痛み
慢性の痛みの場合、ワンちゃんに急に異変が生じるというよりも、徐々に行動の変化が見られるようになってきます。
あれ?そういえば前はよくしていたのに、最近しなくなったな…といった様子であることも多いです。歳をとったせいだからだろう、と決めてしまう前に、痛みのサインではないか、チェックしてあげてください!
動物のいたみ研究会が、慢性の痛みを抱えているワンちゃんに見られる行動の変化についてチェックリストを作成してくれているので、ぜひ参考にしてみてください。

動物のいたみ研究会とは
動物が抱える“痛み”をどのように見つけるか、動物の苦痛を減らせるかについて、獣医師同士で学びあい、最新の情報を共有する研究グループです。
手術後の痛みの管理や、慢性的な関節の痛み、がんの痛みなど、さまざまな状況において、ADLとQOLを維持しながら、「できるだけつらくない状態を保つこと」を目指して、痛みの適切な管理やケアに関する研究や啓発活動を行っています。
痛みのサインがあてはまったら
特に、慢性の痛みのサインの項目がひとつでも当てはまる場合には、一度動物病院へ連れてきてください。
一見分からなくても、もし関節炎や神経痛などを抱えているとしたら、その痛みを少しでも和らげてあげることで、ワンちゃんの生活がより豊かになります。
また、病院の診察室内では痛みを隠してしまうワンちゃんも多いので、来院の際には、ご自宅で動画を撮ってきてくださると診察の一助となります。
参考文献
1)動物のいたみ研究会:研究会・セミナー | 動物のいたみ研究会 | 公益財団法人 動物臨床医学研究所