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動物との防災準備をしておこう~防災用品リスト~
2024年能登半島地震により被害を受けられました皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早く復興がなされますことを心よりお祈り申し上げます。


災害時には、停電や断水などのライフラインの寸断が起こったり、自宅から避難しなければならない状況になることがあります。動物も人間も、被災時に知らない場所に行くのは、大きなストレスになります。
そのため、『災害=避難所に行く』と考えるのではなく、自宅が安全なら自宅で避難生活をおくり、自宅が危険である場合に、安全な避難先に避難するということを知っておくとよいでしょう!

これを実現するには、
在宅避難のための防災グッズ=備蓄品
同行避難のための防災グッズ=非常用持ち出し袋
を備えておくことが必要です。今回はこの2種類に分けて、災害時に備えておくべきもののお話をします。

備蓄品のリスト

非常食、医薬品、非常電源、照明、トイレ関係、衛生用品、防寒用品など、かなりの種類があります。

飲料水
水は生きていくうえで必要不可欠なものです。人用だけでなく、動物用も十分に用意しておきたいですね。

備蓄する量は“1日あたり、ヒト3リットル、犬猫は体重1キロあたり1日100ミリリットル”を目安に、最低7日分は置いておきましょう。例えば、5キロのワンちゃん、3キロのネコちゃん、それぞれ7日分にすると、ワンちゃんは3.5リットル、ネコちゃんは2.1リットルですね。もし人数分の飲料水を確保していなければ、早速買出しに行くようにしましょう!
生活用水
断水時は飲料水だけでなく、トイレを流す水や、食器を洗う水、動物が汚れた際に洗う水等も出なくなります。生活用水・洗浄用水として、大き目のポリタンクに保存しておくなど、水が確保できる状態を作れるとよいでしょう。お風呂の水をすぐに流さずに、次にためる時に流すようにすると自然と備蓄できますよ。
ポリタンク
断水時には、給水車による水の配給が行われることがあります。その際に水を受け取れるようにポリタンクを用意しておくことが大切です。
ドライシャンプー
断水時、動物が汚れた際に重宝するのがドライシャンプーです。普段のお手入れにも使うことができますので、日常的に使うようにするのもよいでしょう。
ウェットティッシュ
ウエットティッシュは、人の手や動物の身体を拭くことはもちろん、机を拭いたり、汚れを落としたりするために使えます。アルコール有りのものと、アルコールなしのものがありますが、動物に使うことも考え、アルコール無しのものも用意しておきましょう。
ペットフード
ペットフードは普段から保存の効くものを使っている方が多いと思います。なくなるギリギリで買い足すのではなく、無くなる2週間前位には次の袋を用意する習慣にすることで、いざというときに備えることができます。
人用の非常食
人の非常食は7日分程度を目安に備蓄しておくようにしましょう。
カセットコンロ・ガスボンベ
ガスが止まってしまっても、カセットコンロがあれば、調理ができますね。カセットコンロと鍋でお米を炊くこともできますし、お湯を沸かせればレトルト食品を食べることもでき、食事の選択肢は大きく広がります。
災害時には、温かいご飯は特に重宝します。温かいご飯は、冷えた身体だけでなく、心を温めてくれます。
ランタン・ヘッドライト
停電すると夜間何も見えなくなってしまい、生活ができなくなってしまいます。ランタンやヘッドライトなど、明かりとなるものを用意しておきましょう。
モバイルバッテリー・大容量バッテリー
停電時、携帯電話の充電が無くなることは死活問題です。情報が途絶し、連絡も取れなくなります。最低でも携帯電話が使える程度の電力を確保しましょう。
モバイルバッテリーに常に充電しておくことや、大容量バッテリーを購入しておくことが対策になります。大容量バッテリーは、太陽光パネルによる充電も可能です。
非常用トイレ・おむつ・生理用品
断水時、排泄物を流すことができなければ、トイレを使うことはできません。意外と盲点ですが、非常用トイレの備蓄はとても大切です。
子どものいる家庭ではおむつ、女性は生理用品も必要です。普段からある程度備蓄はあると思いますが、少し多めを意識して買い足すようにしてください。
ペットシーツ・猫砂
動物の排泄はペットシーツや猫砂が中心になるかと思います。これも普段からある程度備蓄はあると思いますが、無くなったら大変ですよね。いつもと同じトイレがなければ、犬猫たちは排泄の失敗をしてしまうかもしれませんし、場合によっては、排泄を我慢して体調を崩すかもしれません。
ゴミ袋
災害時には、ごみ収集が行われなくなることがあり、ごみは自宅で管理する必要があります。それに加えて、断水してトイレが使用できないと、非常用トイレを使った後の排泄物も自宅での管理です。不衛生な管理では、臭いの問題だけでなく、虫が発生してしまう可能性もあります。こうした問題を抑えるためにも、ゴミ袋は二重にしておきたいところ。普段からゴミ袋は多めに買っておいた方がよいでしょう。
常備薬
人も動物も、毎日飲む薬がある時は、少し多めに処方してもらっておくのも選択肢です。ただし、症状が安定していなかったり、薬の種類によっては多めに出すことが難しい場合もあります。ワンちゃんネコちゃんが常用している薬がある場合は、一度相談してくださいね。

ここまでが在宅避難の場合に備えておきたい物のリストです。

次に挙げるのは移動して避難する場合に用意しておきたい物のリストです!

非常用持ち出し袋の中身

非常用持ち出し袋とは、おおよそ1日程度生活できるだけの必要物資を入れたリュックのことをさします。災害時の移動で両手がふさがってしまうのは危険です。ましてワンちゃんネコちゃんを連れているのであれば、手を開けておくことは重要ですね。かさばらず、持ち運びしやすい容量のリュックを、非常用持ち出し袋として用意しておくと良いですね。

非常用持ち出し袋に入れておく物は以下です。
飲料水(人・動物ともに1日分)
非常食(人1日分、動物は数日分(かさばらずに持てる量))
救急セット(常備薬も)
首輪・リード・ハーネス・キャリー
携帯トイレ(非常用トイレ)
ウエットティッシュ
ペットシーツ・ウンチ袋
ヘッドライト
モバイルバッテリー
軍手・防寒具・マスク
ホイッスル
下着・着替え
現金・身分証明書

防災の備え、わんちゃん・ねこちゃんにマイクロチップを!

 災害時には、首輪や迷子札が紛失する可能性があり、実際に災害でそのような状況になった動物たちがいます。
防御策の一つとして、ペットが迷子になった際にも確実に識別できるよう、マイクロチップの装着をお勧めします!
もしはぐれてしまったとしても、探し出せる確率がぐんと上がります。

海外へ行く際にもマイクロチップの装着が求められますので、事前に準備しておくと便利です。
災害に備えてワンちゃんネコちゃんの安全対策としてマイクロチップ装着をご検討ください。
ご質問やご不安などがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

当院HPにマイクロチップに関する詳しいページがあります。是非 こちらもご覧ください。
三鷹獣医科グループ-マイクロチップ(MC)の疑問(77問77答)にお答えします-

さいごに

今回挙げた防災グッズは、動物用のものばかりではなく、人用も含まれています。これを機に人用の防災グッズも是非見直してみてください。特に食料や飲料水には期限があるため、定期的なチェックをお忘れなく。

人用同様に動物用の防災グッズも、いざという時に大切な命を守れるように、日ごろから備えておきたいですね。

防災に関する記事「ペットと共に災害に備える!必要な物、行動、心構えは?できることから始めよう。」もお読みください。災害時にペットと一緒に生き残るための心構えや対策について解説しています。