7月上旬、「大きな災害が起きるかも」という話がありましたね。
信じる信じないは別として、自分たちの「備え」を考えるいいきっかけだったかも、とも思います。
災害がいつ起こるか予測するのは不可能です。なにか起きた時のために、日頃から少しでも意識して準備しておくようにしたいですね。
もしもの災害時、危険な場所にとどまってはいけないのは、人も動物も同じです。
環境省や自治体では災害が起こったとき、基本的にご家族がワンちゃんネコちゃんを連れて避難する“同行避難”を勧めています。しかしいざというときに、本当にワンちゃんネコちゃんを連れた避難が可能か?と問われると、自信を持って「YES」と答えられるご家族は多くはないかもしれません。
今回の記事では、災害時にご家族が、適切な避難行動がとれるようになるためのポイントをお伝えしますね。

原則は同行避難!だけどなかなか…
いざ避難するときにワンちゃんネコちゃんも連れていくのは、簡単なことではありませんよね。人でさえ大きなストレスとなる避難行動。ワンちゃんネコちゃんは人のように状況を理解することが出来ません。
ワンちゃんネコちゃんに強いストレスがかかれば、食欲低下、下痢、嘔吐、血尿、血便、かゆみなど、体の不調がでてきてしまうかもしれません。
同行避難と聞くと“避難所へ連れていく”ことが真っ先に思い浮かびますが、じつは避難所が全てではありません。
ワンちゃんネコちゃんのストレスを考えると、慣れない環境で避難することはできるだけ避けたいですよね。特に人も多く集まる小学校や公民館などの避難所はできるだけ避けた方がよいでしょう。
一番はもちろん自宅にて在宅避難することですが、自宅が危険な場合は、親類や知人の家に身を寄せる方が、人へのストレスは小さくなります。ワンちゃんネコちゃんにとって、その場所が「普段からよく行く場所」であればストレスは小さくなりますが、「行ったことない場所」であれば、ストレスが大きくなります。

日頃から一緒におでかけしよう
ですので、避難先となるかもしれない親類や知人の家に、日頃からワンちゃんネコちゃんを連れて遊びにいくこと、そして、そこで美味しいおやつをもらっていい思い出を作ることが動物にとってよい避難訓練となります。
もしも災害時に避難することになっても、ワンちゃんネコちゃんは「美味しいおやつの家だ!」と、安心して過ごすことができるでしょう。

クレートやキャリーに入る練習も大切
お出かけや車での移動、そして、避難所に連れて行かなければならない場合も、クレートキャリーに入って中で落ち着いていられることは、必要不可欠ですよね。
一方で、クレートやキャリーに入れない子も少なくありません。実はクレートやキャリーを嫌いになってしまう主な原因は、『無理やり入れたから』であることが多いんです。さらに、クレートに入って連れていかれた先が全くの知らない環境だったり、注射を打たれたりすれば、「クレート・キャリーに入ったら、怖い場所に連れていかれる」と学習し、さらに嫌いになってしまいます。
ですので、できるだけワンちゃん・ネコちゃんが自分からクレート・キャリーに入ってくれると良いですよね。
クレートに入るのを嫌がるからトレーニングしたい、という方は以下をご参照ください。
クレートトレーニングの方法ワンちゃんネコちゃんが自分からクレートに入ってくれるためには、おやつを使って少しずつ教えていくといいですよ。
クレートを生活空間内に設置クレートを普段の生活空間の中に設置しておき、見慣れたものにしてくださいね。
サイズは四つ足で立った時に頭が天井に着かない高さ、頭からお尻までの長さよりも奥行きがあるくらいが適切です。
クレート内で食事・おやつを与えるお皿をクレートの中に置くことで、ワンちゃんネコちゃんは食事を食べるためにクレートの中に入るようになります。
警戒している子は、はじめは入口付近にお皿を置いて、首を少し突っ込んだだけで食べられるようにしてあげましょう。
次に、クレートにおやつを投げ入れて取りに行かせる練習をしましょう。この時の扉は開けっ放しです。おやつはもらえるし、閉じ込められることもないという状態になり、ワンちゃんネコちゃんにとってクレート=いい場所という印象が強くなっていきます。
クレートの扉を閉める少しずつハイレベルになってきましたね。
クレートの中で待つことができるようになったら、扉を閉める練習を行います。
扉を閉める時間は、初めは1~2秒から開始し、クレートに入れて1時間程度閉めておいても問題なく休んでいられるようになることが最終目標です!
時間はワンちゃんネコちゃんの様子をみながら徐々に伸ばしていきます。不安そうな表情になるようなら無理に閉めないようにしましょう。
お出かけに使って、楽しい思い出づくりクレートに入れるようになったら、クレートに入ってお出かけしましょう。
たくさん美味しいおやつも持っていき、お出かけの中で与えてくださいね。クレートに入る=嫌な場所に行くではなく、クレートに入れば楽しい、嬉しことがある!と教えてあげてくださいね。

さいごに
いくら練習していても、災害時にワンちゃんネコちゃんも不安になってしまうことは仕方のないことです。
不安を感じやすい子は日頃からのしつけや練習に加えて、サプリメントを使うということも考えてもいいかもしれません。
サプリメントの中には不安を取り除く働きがあるものがあり、不安を感じやすい子に処方することがあります。気になる方はスタッフにご相談くださいね。いざという時にも慌てないで行動できるように、できることは少しずつ準備しておきたいですね。
この記事は、過去記事のショートバージョンでした。
ロングバージョンを読みたい方はこちらから。