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長引く下痢…
皆さんこんばんは😄
本日は下痢のお話です。
下痢は来院の理由としてとても多いです。
特に最近は嘔吐、下痢など消化器症状の子をよく見ます💦

大抵の下痢は薬を飲んで数日もすれば落ち着いてきますが、
問題なのは、薬をしばらく飲んでも止まらない慢性の下痢…
深刻な病気が隠れている可能性大です。

2週間以上症状が続く場合は要注意!

2週間以上下痢や嘔吐など消化器症状が続けば、慢性腸症と言われます。
慢性腸症には
・食事反応性腸症
・抗菌剤反応性腸症
・腸リンパ管拡張症
・炎症性腸疾患
・腫瘍性疾患
などが挙げられます。
食事の変更や抗菌剤に反応して下痢が治るものから、
免疫抑制剤に反応するもの、
根本の腫瘍の治療が必要になるものまで様々です。
血液検査や画像検査で下痢につながる異常を認めず、
食事変更、抗菌剤にも反応しなければ
診断には麻酔下での内視鏡検査、消化管の生検が必要になってきます。
消化管の生検では内視鏡で腸の粘膜を見ながら、
生検鉗子と呼ばれる道具で腸から1〜2mmの小さい組織をちぎり、
病理検査に送ります。
最近当院を受診している子の中にも下痢がなかなか止まらない慢性腸症の患者さんが2頭いました。
食事療法、抗菌剤にも反応せず、
最終的にCT検査、内視鏡での消化管生検を実施しました。
一頭は炎症性腸疾患、もう一頭は大腸のリンパ腫(悪性腫瘍)と診断されました。
それぞれ食事療法とステロイド剤、抗がん剤治療を実施中、下痢は改善してきました。

さいごに

今回炎症性腸疾患、リンパ腫だった2頭は元気も食欲もあり、状態は良好でした。
元気だから、ごはんを食べるからと侮らず!
長引く下痢は放置せず、ご相談くださいね。