あなたのワンちゃんネコちゃんは健康診断を受けたことがありますか？
人と同じように健康診断を行うことで病気を早期発見できれば、進行する前に治療を開始できるため、治療の効果が期待できたり、動物やご家族の負担を減らすことに繋がります。
また、動物には人と決定的に違うところがあります。それは自分の体調を話して伝えられないということです。特に体調不良を隠すのが上手なワンちゃんネコちゃんは、「ほんの数日調子が悪い」とご家族が診察に連れて来られて検査してみると、実はかなり病気が進行している状態だった、という事も少なくありません。
1年間で、私たち人間の何倍も歳をとっていくワンちゃんネコちゃんへ定期的に健康診断を受けさせてみませんか？
今回は「健康診断を受けた方がいいことは分かるけど、どんな検査をするの…？」という疑問にお答えすべく、健康診断の検査にはどんな内容があるのかお話しします。
検査の項目
今回お伝えするのはあくまで一般的な検査の項目です。ワンちゃんなのかネコちゃんなのか、若いのか高齢なのかなど、必要に応じて項目を減らしたり、増やしたりすることもあります。
身体検査最も基本的な検査です。その子をみて（視診）、触ること（触診）で多くの情報を得ることができます。例えば体重を測る、口の中の歯や歯肉をチェックする、眼や耳、皮膚、四肢の状態などに気になる点はないか、などを見ていきます。また、聴診器で心臓や肺に雑音がないか（聴診）、お腹を触って（触診）異常がないか診ていくことも重要なチェックポイントです。
尿検査・便検査尿検査では糖やタンパク、血液など、通常なら含まれないものが混じっていないか、尿がきちんと濃縮できているか、などを確認することができます。また、尿の中に炎症細胞や結石などがないかを顕微鏡で調べます。
尿検査は、腎臓や膀胱に関連する病気を見つけやすいのが特徴ですが、もとを辿ると尿は血液から作られるため、泌尿器以外の病気でも異常が見られることがあります。
便検査は主に、寄生虫がいないか、便に含まれる細菌叢のバランスはどうかなどを調べます。見た目が良便であっても、検査をしてみたら寄生虫の虫卵が見つかった、という場合もあります。
尿検査は、腎臓や膀胱に関連する病気を見つけやすいのが特徴ですが、もとを辿ると尿は血液から作られるため、泌尿器以外の病気でも異常が見られることがあります。
便検査は主に、寄生虫がいないか、便に含まれる細菌叢のバランスはどうかなどを調べます。見た目が良便であっても、検査をしてみたら寄生虫の虫卵が見つかった、という場合もあります。
血液検査血液検査は血液成分や内臓の状態を広く知ることができます。例えば血液成分の赤血球や白血球の数値、肝臓や腎臓の数値などが測れます。ここで何か異常が見つかった場合は、次に説明するレントゲン検査や超音波検査なども組み合わせてどこにどのような異常があるのか、詳しく探っていくことになります。
レントゲン検査健康診断のときに撮影するのは、通常胸（胸部）とお腹（腹部）の部分です。
胸部レントゲンでは首から背中にかけての骨・肋骨や、心臓など胸の中にある臓器の異常がないかを知ることができます。腹部のレントゲンでは、同じく骨の様子やお腹の中にある臓器を調べます。レントゲン検査では、本来なら写ってこないはずのものが写っている、逆に写るはずのものが写っていない、正常と比べて臓器の大きさや形、場所が違う、などが分かります。
胸部レントゲンでは首から背中にかけての骨・肋骨や、心臓など胸の中にある臓器の異常がないかを知ることができます。腹部のレントゲンでは、同じく骨の様子やお腹の中にある臓器を調べます。レントゲン検査では、本来なら写ってこないはずのものが写っている、逆に写るはずのものが写っていない、正常と比べて臓器の大きさや形、場所が違う、などが分かります。
超音波検査超音波検査には胸（胸部）とお腹（腹部）の検査があります。
胸部の超音波検査で分かるのは主に、心臓の構造や心臓がきちんと機能しているか、を知ることができます。腹部の超音波検査ではお腹の中の臓器（胃腸、肝臓、胆嚢、腎臓、尿管、膀胱、前立腺（男の子）、卵巣（女の子）、副腎、膵臓、リンパ節）を順番に探し、大きさや形、構造などに気になる点はないか見ていきます。
胸部の超音波検査で分かるのは主に、心臓の構造や心臓がきちんと機能しているか、を知ることができます。腹部の超音波検査ではお腹の中の臓器（胃腸、肝臓、胆嚢、腎臓、尿管、膀胱、前立腺（男の子）、卵巣（女の子）、副腎、膵臓、リンパ節）を順番に探し、大きさや形、構造などに気になる点はないか見ていきます。
心電図検査人の検査と同じように、体に電極を付けて心臓の波形を調べます。この検査と胸部のレントゲン検査、超音波検査を組み合わせて心臓に異常がないかを調べます。
以上が健康診断のときに行う、主な検査項目です。先ほど述べた通り、動物の種類や年齢、既往歴によって、この項目から検査項目を減らしたり、増やしたりします。
以上が健康診断のときに行う、主な検査項目です。先ほど述べた通り、動物の種類や年齢、既往歴によって、この項目から検査項目を減らしたり、増やしたりします。
健康診断を受ける頻度は？
若いうちは年に1回程度、シニア期になってからは年2回、健康診断をうけることをおすすめします。また、健康診断は人と同じように絶食にて来院いただく場合もありますので、事前にご確認ください。
もうひとつ健康診断の大切なポイント
もうひとつ健康診断の大切なポイントは、その子の健康な時の検査結果を知っておくということです。ワンちゃんネコちゃんにも個体差はあるので、“その子の健康な時の値”を知っておくことは、いざ病気になったときにとても重要になります。
例えば調子を崩して検査をしたワンちゃんで、肝臓の数値が基準値より少し高かったとします。もし過去に何度か健康診断を受けており、その時も肝臓の数値が少し高かった場合、元々肝臓の数値が少し高いワンちゃんだったな、今回の体調不良と肝臓の数値は必ずしも関連していないかもしれない、と系統立てて考えることができます。
他にも、体調不良で血液検査を行ったけれど、全て基準範囲内の値だったとします。しかし過去に行った健康診断の時の数値と比べると、腎臓の数値が悪くなっていて基準範囲の上限ギリギリだった場合、もしかしたら腎臓が今回の体調不良と関係しているかもしれないし、今後数値がどんどん悪くなるかもしれない、などと予測することもできます。
このように1回だけの数値を見るよりも、以前との比較をすることで色々な情報を得ることができるのです。
例えば調子を崩して検査をしたワンちゃんで、肝臓の数値が基準値より少し高かったとします。もし過去に何度か健康診断を受けており、その時も肝臓の数値が少し高かった場合、元々肝臓の数値が少し高いワンちゃんだったな、今回の体調不良と肝臓の数値は必ずしも関連していないかもしれない、と系統立てて考えることができます。
他にも、体調不良で血液検査を行ったけれど、全て基準範囲内の値だったとします。しかし過去に行った健康診断の時の数値と比べると、腎臓の数値が悪くなっていて基準範囲の上限ギリギリだった場合、もしかしたら腎臓が今回の体調不良と関係しているかもしれないし、今後数値がどんどん悪くなるかもしれない、などと予測することもできます。
このように1回だけの数値を見るよりも、以前との比較をすることで色々な情報を得ることができるのです。
最後に
今回の記事で少しでも健康診断について知ってもらえると嬉しいです。
健康診断には病気を早期発見するという意義だけでなく、ワンちゃんネコちゃんが健康であることの確認をする、そしてその健康の時の状態を把握しておく、という大事な意義もあります。あなたのワンちゃんネコちゃんが元気で長生きできるよう、私たちもお手伝いいたします。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
引用元：https://vets-line.jp/manage/admin_templates/59
健康診断には病気を早期発見するという意義だけでなく、ワンちゃんネコちゃんが健康であることの確認をする、そしてその健康の時の状態を把握しておく、という大事な意義もあります。あなたのワンちゃんネコちゃんが元気で長生きできるよう、私たちもお手伝いいたします。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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