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レプトスピラ症とは?
夏休みの時期になりましたが、皆さんは暑い日々をどのようにお過ごしですか?
様々なレジャー施設に愛犬を連れてお出かけされる方も多いかと思います。
今回は、山や川などで移るレプトスピラ症ご紹介させていただきます。

レプトスピラ症とは?

レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌の感染により引き起こされる病気です。
感染すると体の各所で細菌が増え、炎症が起こります。犬では特に肝臓と腎臓の増殖が顕著で、急性あるいは、慢性の肝炎及び腎炎になります。


さらに、レプトスピラ症で最も重要な事は、動物だけでなく人にも感染する人獣共通感染症だということです。
日本では、感染症法で四類感染症に指定されており感染が認められた場合、保健所に届け出を出さなくてはならない病気です。
レプトスピラ症の感染が疑われる場合には、飼い主も、愛犬のお世話には手袋を着用し排泄物や食事の取り扱いに気を配る必要があります。

感染源はなに?感染するとどんな症状が出る?

犬のレプトスピラ症の感染源は、主に土と、媒介動物であるネズミや、感染した動物の糞や尿が、皮膚の傷や粘膜に接触することで感染します。
また、レプトスピラは池や沼地などの湿気が多いところを好むため、夏や初夏など温かく洪水が多い時期に感染が増える傾向にあります。
河川や池があるような場所、台風などの増水後、山、様々なイヌが集まる場所に行く子は、特に注意してください。

感染後の症状は、中等度の場合は、発熱や食欲不振、沈鬱の状態が最初に見られ、血液検査などの身体検査で貧血やミネラルバランスの崩れ、肝不全や腎不全の微候が認められます。
症状が出た多くの犬では、最も症状の重い急性期を脱した後も慢性間質性腎炎や、慢性進行性肝炎が進行してしまい、生涯にわたり治療が必要になります。

感染が重度の場合、最初は発熱や食欲不振、荒い呼吸が見られます。その後血液が壊されて、タール状の便や鼻出血などの溶血性の症状が出ます。最終的には多臓器不全となり、死に至ります。

どうやって予防するの?

一番の予防は、原因であるレプトスピラに接触させないようにすることです。ネズミが行きかう場所に、愛犬の寝床や食事を置かないようにしましょう。ただし、常在地では細菌自体との接触を完璧に防ぐことは難しいので、ワクチン接種が勧められます。
レプトスピラ症は、ワクチンによって重症化を防ぐことができます。ただし、レプトスピラ症は、必ず受けるべきワクチンである「コアワクチン」には分類されません。3種・5種混合ワクチンには含まれないため、ワクチンを予防を希望される場合は、獣医師とご相談ください。

まとめ

レプトスピラ症は頻繁にかかる病気ではありませんが、日本にも常在する細菌が原因で、毎年犬の感染が報告される病気です。人にも感染する共通の感染症であり、万一愛犬が感染した場合は、飼い主様の体調にも注意が必要になります。
ワクチンが有効な病気ですので、感染の心配がある環境が身近な場合は愛犬へのワクチン接種もご検討ください。