今日は動物病院のスタッフも気になる、人気犬種&猫種ランキング2022を紹介します!毎年、ペット保険のアニコム損害保険株式会社が「家庭どうぶつ白書」1)というペットに関するデータや統計を発表しています。興味がある方は一度見てみてくださいね。
今回は品種ランキングと、他の種類と比較してその品種によく見られる疾患のお話です。
1位:トイプードル
不動の人気犬種であるトイ・プードル。なんと2013年以降、10年連続堂々の1位です!
トイ・プードルで特に多い病気と言えば、骨折でしょう。華奢ですらっとした前肢は特に注意が必要です。ソファからのジャンプやツルツルした床で滑って骨折、ということもあります。
2位:チワワ
トイ・プードルと同じように長年2位をキープしているのがチワワです。
チワワでは中高齢以降に増えてくる循環器の病気(心臓疾患)が比較的よく見られます。心臓の病気はなかなか予防できないため、日頃から定期健診を受け、早期発見につなげてあげることが大切ですね。
3位:混血犬(体重10kg以下)
プードル×マルチーズやプードル×チワワなど、小型犬同士の混血犬はとても人気ですよね。様々な品種から産まれているので、どの病気が多いなどの特徴はなさそうです。
4位:ミニチュア・ダックスフンド
2012年までの1位と比べると少し順位は下がったものの、まだまだ安定して人気が高いのがミニチュア・ダックスフンド。
チャームポイントである長い胴ですが、実はこれによって椎間板ヘルニアになりやすいとも言われています。椎間板ヘルニアになると背中に痛みを生じたり、歩けなくなったり、おしっこが出せなくなったり、うんちを漏らしてしまうこともあります。
5位:柴
日本犬で唯一の10位以内ランクインです!
柴犬といえば犬アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルでしょうか。また、換毛期の抜け毛の量が多いので、ブラッシングや皮膚のケアは欠かせません。
また、昔からの番犬気質な血統の柴犬では、気難しいことがあります。
6位:ポメラニアン
6位はふわふわの毛が魅力的なポメラニアンです。
ポメラニアンは気管虚脱、と呼ばれる呼吸器の病気が多い印象です。気管虚脱とは、呼吸する時の空気の通り道である気管が潰れてしまい、上手く呼吸ができなくなる病気であり、咳や異常な呼吸音が見られます。
7位:ミニチュア・シュナウザー
ミニチュア・シュナウザーは凛々しい見た目と活発な性格を持っています。
遺伝による脂質代謝異常が多いと言われており、高脂血症がよく見られます。
8位:ヨークシャー・テリア
シルキーコートと呼ばれる毛質を持ち、成長とともに毛色が変わるのが特徴でもあるヨークシャー・テリア。
血液中の蛋白質が腸から漏れ出てしまう病気である蛋白漏出性腸症と呼ばれる病気が比較的よく見られます。
9位:シー・ズー
9位は鼻ぺちゃとくりっとした目がチャームポイントのシー・ズーです。
その特徴がゆえに、まつ毛や眼そのもの、瞼(まぶた)などの目周りの病気がよく見られます。
10位:フレンチ・ブルドッグ
短毛でがっちりと筋肉質な体をもつフレンチ・ブルドッグが10位にランクインしました。
フレンチ・ブルドッグでは軟口蓋過長症がよく見られます。軟口蓋という喉の奥の部分があり、ここが長いと空気の通り道が狭くなって呼吸がしづらくなる病気で、ガーガーと聞こえるような呼吸をしていたり、寝ている時にいびきをかくなどの症状が見られます。また、呼吸がしづらいがゆえに熱中症にもなりやすいので要注意です。
いかかでしたか?
よく聞く、知っている品種も多く登場したかもしれません。もしかしたら、あまり馴染みのない病気もでてきたかもしれません。
今回は、アニコム損害保険株式会社「家庭どうぶつ白書」の2022年のランキングを参考にさせていただきました。過去に遡って見ることもできるので、昔と今を比べてみるのも楽しいと思います!