いつもよりまばたきを多くしたり、目を開けづらそうにしている…もしかしたら“痛い”サインかもしれません。
目の表面に傷ができること=角膜潰瘍と呼びます。
角膜潰瘍ができると、痛くて目を開けづらくなり、涙や目ヤニが急に増えます。傷が浅いうちに治療を始めれば、短期間で回復することが期待できます!
毎日ワンちゃんネコちゃんとアイコンタクトをとって、ちょっとした変化に早めに気づいてあげたいですね。
角膜潰瘍ってなに?
角膜に傷ができることで角膜の一部が剥がれた状態のことをいいます。
傷の深さによっては表面だけだったり、奥の方にまで傷ができることも、さらには穴が開いてしまうこと(穿孔)もあるんですよ。
角膜潰瘍はどの犬種、猫種でも起こりますが、目が飛び出しているようなフレンチブルドッグやパグ、シーズー、チワワなどに多いです。また、初めは浅い傷だったのに、目に違和感を感じて前足で目を引っ掻こうとするため、すぐに悪化してしまうケースも多いです。

診断
まずは問診と視診で、何が起きているのかをある程度予測し、さらに眼科用の機械を使って、眼の構造を詳しく調べます。
角膜潰瘍があるかどうか調べる主な検査には【フルオレセイン染色】という検査方法があります。
この検査方法は、色が付いた液体を目薬のように点眼したあと、洗い流します。角膜潰瘍が起きている場合は、色が流れずに残っている、という仕組みです。

治療
角膜潰瘍は、適切な点眼薬を選べば治りが早く、ワンちゃんネコちゃんの負担も最小限で済みます。浅い角膜潰瘍は、早期に適切な点眼治療を開始すれば、通常1週間以内に治癒します1)。
目を気にして引っ掻いてしまうと悪化してしまうので、エリザベスカラーを付けてくださいね。治療しても良くならない深い傷や、穴が開いている場合には手術 が必要なこともあります。
自宅での点眼ポイント
きちんと点眼を続けることができれば傷の治りは早まり、浅い角膜潰瘍なら多くの場合 “1週間以内の完治”が期待できます!
食事やお散歩など、イベントの前に点眼すると、目を気にする素振りが抑えられると思います。また、点眼のあとはご褒美のおやつをあげて、目薬が嫌いにならないようにしてみてください!

参考文献
1)VCA Animal Hospitals “Ulcerative Keratitis in Dogs/Cats”, ScienceDirect Topics
写真提供:どうぶつ眼科専門クリニック 辻田先生