最近、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)のニュースが連日報道されています。また、犬猫との関連性も大きな関心になってきました。去年のヒトの感染者数が今年8月時点で上回まわり、去年の倍のペースで増加しています。また先日北海道でも感染が確認されました。今年は特に静岡県で感染数が急増しており、東日本でも感染拡大が見られます。
ヒトは約27%、猫は約60%、犬が重症化した場合約50%の死亡率となっています。また、少し怖い事実として、犬は感染を起こしても、軽症で済んでしまうことが半分以上あるようです。軽症の場合SFTSとは気付かずに元気になります。軽症であってもウィルスの排泄は行われます。犬が外の環境からご家族にウィルスを知らず知らずのうちに運んでしまう可能性があります。
当院では、犬には基本的に全頭にマダニ予防薬の投与をお勧めします。外に出ている猫も同様です。室内猫も予防薬を使用して良いと思います。今年茨城県で起こった猫の感染例は室内猫が1日間脱走して、その1日で感染が起こりました。
ただし、マダニ予防薬はSFTSを完全に防ぐことが出来ません。マダニ予防薬はマダニが犬猫に噛みついて、その時に薬剤がマダニに入り、マダニは死亡します。製品によってマダニが死亡するまで8時間から72時間必要です。そのマダニが死亡するまでの間にSFTSが感染する恐れがあります。