当院の皮膚科の治療でも登場する塗り薬。
なんとなく回数だけは聞いて処方されたけど、いざ使うとなると
・どれぐらい塗ったらいいの?
・どこに塗ったらいいの?
・舐めても大丈夫?
・いつまで塗ったらいいの?
こんな疑問がたくさん湧いてきて、悩むことはありませんか?
また人間と違って嫌がるし、すぐ気にして舐めてしまう…など、なかなかこちらが思うように使わせてくれないこともありますよね。
塗り薬は使い方によっては武器にもなるし、間違えて使ってしまうとかえって悪くなることもあります。
今回はそんな塗り薬の正しい使い方をお伝えできればと思います。
塗り薬を使うワケ
からだの一部分だけに症状があり、そこをピンポイントに治療したい場合に塗り薬を使うと効果的です。からだ全体への影響が少なく、その分飲み薬と比べて副作用が少ないとも言えます。
ただ、動物の場合、からだの表面は毛に覆われている部位が多いですよね。ですので患部に薬がいきわたるように、しっかりと毛をかき分けて地肌に塗るようにしてください!
その他よくある疑問についてお答えします。
塗り薬を塗ったあと、気にして舐めてしまうんです… 塗り薬を使うときに一番聞かれるのがこのことかもしれません。
舐めないで!とワンちゃんネコちゃんに伝えても素直に聞いてもらうのはなかなか難しいですよね。そんなときは次のことを試してみてください。
このように、意識が他のことへ向いているタイミングや、物理的に舐められないようにしてみてください。
塗り薬ってどのくらい塗ればいい? 塗り薬にはローションタイプ、クリームタイプ、軟膏タイプがあります。だいたいの使用量は以下を目安にしてください。
クリーム・軟膏タイプの場合: 人差し指先端から第一関節までの量を、手のひら2枚分の範囲に塗る。 ローションタイプの場合:1円玉サイズの量を、手のひら2枚分の範囲に塗る。 シャンプーはどんなものでもいい? ここではワンちゃんのシャンプーについてお話させていただきますね。
じつはワンちゃんの皮膚は人間よりも薄くてデリケートなんです。肌質や皮膚の状態に合っていないシャンプーを使い続けると、かえって皮膚がボロボロになってしまった…なんてことにもなりかねません。
犬のお肌にも人と同じように脂性肌、乾燥肌、敏感肌、混合肌(脂性と乾燥がともにある)などのタイプがあります。
脂性肌には脂をとりのぞく(脱脂)シャンプー、乾燥肌には保湿シャンプー、フケが出やすい場合は角質溶解シャンプー、皮膚が細菌感染などを起こしている場合には抗菌シャンプー、といったように、その子の肌に合ったシャンプーを使ってあげてくださいね。しかし、それもずっと使い続けていると、かえって皮膚を荒らしてしまう事もあるため、闇雲に使い続けるのは危険です。
意外と多いのが、今使っているシャンプーの種類を聞いたところ、「〇年前に動物病院ですすめられたもの」と、過去に処方された抗菌シャンプーをずっと使い続けているケースです。おそらくその当時は皮膚に細菌感染があってそのシャンプーが適していたのだと思いますが、もし現在は細菌感染がなければ、そのシャンプーを使う必要はないかもしれません。
このように、その時の肌の状態によって最適なシャンプーが変わることも多いため、ぜひ一度、動物病院スタッフに相談してください。
いつまで塗ったらいい?塗り薬を使い始めたはいいけど、やめ時が分からない!なんてこともあると思います。
その場合は基本的に病院にご連絡ください。なぜなら薬の種類や皮膚の状態によりやめ時や、やめ方が異なるからです。
また、良くなったからとりあえずやめてみようというのも危険な場合があります。ゆっくりゆっくり薬を減らす必要があったりするため、ご相談ください。
さいごに
いかがでしたか?今回は塗り薬についてのお話でした。塗り薬はきちんと正しい方法で、適切な部位に使ってあげることが重要です。飲み薬と同時に使うことをおすすめすることもあります。
薬を与えることは治療をすすめる上でとても重要ですし、ご家族の協力が必要不可欠です!もし分からないことがあれば、お気軽に聞いてくださいね。