だんだんと木々も色づき始め、秋の深まりを感じますね。
ついに暖房の準備を考え始めた方も多いのではないでしょうか?
こんな季節はどうしても体調を崩しがちですよね。我々人間の世界でもマイコプラズマ肺炎が流行ったりしているようですが、猫ちゃんも風邪気味の子が増えています。
猫ちゃんの風邪というと、目ヤニや鼻水くしゃみと、我々人間と似た症状だったりします。
お家の子が少し涙が多かったり、目をしょぼしょぼさせていたり、くしゃみしていたりしませんか?
今日は猫ちゃんのくしゃみについてお伝えできればと思います。
人間でくしゃみしていると何を疑う?
まずみなさんにご質問です。
私たちがくしゃみをしている人をみた時に何を疑いますか?
多くの場合【アレルギー】や【風邪】だと思います。もしくはシャレで噂話という古典的なネタぐらいですよね。
もう一つ質問なのですが、
アレルギーや風邪の時にどんな薬を使いますか?
【鼻炎の薬】や【風邪薬】ですよね。
それを踏まえて猫ちゃんと比べてみましょう。
猫ちゃんがくしゃみをしていたらどんな原因が考えられる?
一通り挙げると、だいたいこれぐらい可能性があります。
ではこの中で何が多いのかみてみましょうか。
腫瘍 慢性鼻炎 異物 これら3つが猫のくしゃみの約80%を占める
猫ちゃんがくしゃみをしている場合80%が上記の3つが原因です。
腫瘍はいくつか種類がありますが、リンパ腫と鼻腺癌が大半です。
腫瘍を疑う症状として
これだけのチェックリストがあります。
腫瘍は怖いですので、これらのチェックリストはぜひ覚えておいてください。
そして次に出てくる【慢性鼻炎】
これが問題です。
慢性鼻炎というのは、[アレルギー性鼻炎]や[感染症]による鼻炎が混ざっていると考えられます。
いずれにせよ、そういった病態の成れの果てのようなもので、治療の反応が悪く基本的に治りません。
いかに慢性化させない(治りきらずだらだら症状を続かせない)ようにするかというと、
基礎にあるアレルギーや感染症をしっかり治すということがとても重要です。
【アレルギーの場合】
は適切な治療(消炎剤など)をし、症状をきちんと管理することが重要です。
根本的には治せないことがあるので、悪くなったら治すではなく、悪くならないように薬を使うのがポイントです。
【感染症の場合】
くしゃみの症状があるとなると以下の2つが重要です。
カリシウイルス ヘルペスウイルス 感染症の見分けかたは?
では上記三つの見分けかたはどんなものがあるのでしょう?
カリシウイルス ヘルペスウイルス 見分けるために重要なのは目と口ですね。
これには経験も必要なため、検査を用いることもあります。
今や新型コロナウイルスでお馴染みになったPCR検査を実施します。
ただし、検査の精度は高いとはいえず、この検査結果だけを鵜呑みにするのは危険です。
カリシウイルスには抗ウイルス薬がないのですが、ヘルペスウイルスには抗ウイルス薬が存在し、
適切な治療を行うことで、劇的な改善が期待できます。
くしゃみの原因となる異物とは?
くしゃみの原因となる鼻の中の異物とはなんでしょう?
異物なので、鼻に入るサイズであれば何でもあり得るのですが、多いのは
【嘔吐物】や【トイレの砂】です。
吐いた後にくしゃみが増えていないか?
トイレの後にくしゃみしていないか?
など日常的に状態を確認する必要があります。
これを見つけるには鼻にカメラを入れるしかありません。
当院ではそういった検査も実施可能です。
最後に
猫ちゃんのくしゃみにフォーカスした場合、人間とは違い鼻炎系の治療がほどんどというわけではありません。
かといって感染症がとても多いわけではありません。
猫ちゃんは色々な原因でくしゃみすることを理解していただけたら幸いです。
同じくしゃみでもこれだけ原因があるのです。
それぞれ適切に治療することで治せる場合も多々あります。
くしゃみでお悩みの方は一度ご相談くださいね。