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最近のウサギの診療
最近のウサギさんの診療

換毛期に適切なケアをしていないと、換毛期が終わってホッとした頃に、
胃に溜まった毛玉で食欲が落ちることがあります。
また、おうちの中で四季の変化の無い環境で飼われていると、
春の換毛期がいつまでもだらだらと続くことがよくあります。
うさぎさんは、毎日毎日一生懸命身づくろいするお洒落さんです。
そう、毎日確実に毛をたくさん飲み込んでいるのです。
しかも食道の筋肉が弱く、猫のように毛玉を吐くことができません。
毛玉溶解剤を与えていないと、胃の中に溜まった毛が、
石のように硬い毛玉になってしまいます。
それが溜まってきて、夏頃になって、胃が動かなくなり、
食欲が無くなってくる子がいます。
いったん石みたいに硬くなってしまうと、内科的な治療は難しく、
胃を切開しないといけないかもしれません。
腸内細菌のバランスが非常に大切なうさぎさんにとって、
消化管を切開する手術というのは、当然命に関わるものになります。
そんなことにならないよう、ブラッシングと毛玉溶解剤でケアしてあげましょう‼

うさぎさん用のやわらかいスリッカ-ブラシや、手袋タイプのブラシなどで毎日ブラッシングします。
うさぎさんの皮膚は薄く弱いので、スリッカ-ブラシをきつくかけると皮膚が裂けることがあります。
ソフトに行いましょう。気持ちの良いことだと思ってくれるよう、声をかけながら、
リラックスムードで行いましょう。
お腹や内股、お尻周りの毛は特に絡みやすいし、いったん毛束になってしまうと
毛が引っ張られて痛いのでうさぎさんも嫌がります。
毛束にならないうちに毎日マメにといてあげましょう。

ラキサトーンやキャットラックのような毛玉溶解剤を、毛のよく抜ける時期は毎日3cm、
普段でも週3回3cmなめさせましょう。
嫌がって舐めてくれない場合は、前足や身体に塗って、身づくろいで舐めさせるようにします。

この夏、食欲の落ちている子で、ずっと毛束や抜け毛がお尻や首に付いている子は要注意‼
早めに診せてくださいね。

ネオ動物病院 津村泰子