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椎間板ヘルニアのわんちゃん 診断から手術・リハビリまで

ある日突然歩けなくなる病気 それが椎間板ヘルニア

それは突然にやってくる

ある日さっきまで歩いていた我が子が、次の瞬間後ろ足を引きずって歩けない
もしくはよろけながら歩いている

こんな瞬間に出会いたくはないですが、急に訪れる椎間板ヘルニア。
状況によっては、一生麻痺で不便な生活になってしまうかもしれない怖い病気です。

何が原因でなるんでしょうか?と聞かれますが、
多くの子が、気が付いたら麻痺で歩けなくなっていた。特別な事は起きていない。という状況で発症します。
誰のせいでもない、事故的に起きてしまう疾患なんですね。

先日そのような状況で、突然歩けなくなってしまったワンちゃんが来院されたので、
治療からリハビリまでの様子をお伝えさせていただきます。(掲載の許可をいただいております。)

突然歩けなくなった!さぁどうする?

愛犬が突然歩けなくなってしまうのですから、当然みなさま動揺してご来院されます。
私たちはどう対応するか?
一通りお話をうかがって、身体検査をした後に確認するための検査を実施します。

①神経学的検査

刺激に対する反応や反射をチェックすることで、どの辺りにどれぐらいの問題が起きていそうかの確認をする検査です。
この検査で引っかかった場合は次の検査に進みます。

②原因を確認する検査

椎間板ヘルニア以外にも様々な疾患が原因で麻痺は起こり得ますので、
・レントゲン
・血液検査
などで疾患の確認を行います。
椎間板ヘルニアの場合は大抵レントゲンなどでは診断ができませんので、レントゲンや血液検査に異常がない場合は、次の検査に進みます。

③MRI

最終的に手術を実施しなければならない重症度で、椎間板ヘルニアを疑う場合は、MRI検査で確定をしてもらいます。

当院にはMRIはないので、神経病専門の病院に依頼し、撮影してもらいます。

診断がついたら

MRIにて診断がついたら、次は手術です。
神経系の手術は大変細かい手術になるので、ルーペを使って行います。今回は片側椎弓切除術を実施しました。
色々な手術を行いますが、椎間板ヘルニアの手術は毎度緊張感のある手術ですね。今回も無事手術は終了しました。

しかし、椎間板ヘルニアの手術はこれでおしまいではありません。
何故ならほとんどの場合、歩けない状態で手術をしているので、術後すぐに歩けて退院というようにはならないからです。多くの症例で、術後のリハビリが必要です。

手術頑張った!最後にリハビリでもうひと頑張り!

今回の子は体重も重かったので、減量とリハビリを一緒に頑張っています!
当院では手術だけではなくリハビリまで責任を持って行います。それにより、少しでもペットさんの生活の質を上げられると考えております。リハビリはお家でもできる範囲でやっていただき、週2回ぐらい通っていただきます。
その子の状態に合わせてメニューを考えて実施していきます。

頑張っている今のご様子がこちら↓
頑張っている甲斐があり、後ろ足が完全麻痺で、全く歩けなかったのが補助アリではありますが歩けるようになってきました。まだ術後3週間なのでとてもすごいです!

引き続き一緒に頑張っていきます!